Tuesday, May 16, 2006

齢と草木

人は年をとると(私は今年の9月で50になります)草木のことなどに関心が向くようになるのでしょうか。近頃は、散歩などしていてふと目に入ってくる花や木の名前がむやみに気になることがよくあります。
  
針葉樹は一目見れば松や杉の類とわかりますが、それすらも松や杉の類と大きく括った形でわかる程度で、例えば檜や栂とかいった単体の名称はほとんど何もわかりません。桜、楓、銀杏などの比較的よく見かける樹木も同じで、細かな分類はわかりませんし、広葉樹に至っては何も知らないといってもいい過ぎではないほどです。花も、躑躅、紫陽花、菊、チューリップ、水仙など、見てすぐわかるものは限られています。それで、散歩するたびに「ああ、ポケット植物図鑑のようなものを手に入れなければ」と思うのですが、うちに帰ると忘れてしまうのは知的怠慢ということでしょうか。
  
これに輪をかけているのが、米国在住のため植物に関する一次情報はすべて英語という環境です(植物に限らずなんでもですが)。「oak(樫・柏?))」だとか「elm(楡)」だとか「dogwood(ハナミズキ)」だとか、もともと日本語でいわれても実物を識別することはできないのですから、知らないものの名前を英語でいわれ、それを目の前にして識別するというのは二重の困難がともないます。
  
話は変わって、今、庭でシャクナゲの花がきれいに咲いています。「rhododendron」というのが英名です。数年前メルボルンに住んでいたときに、近郊に600種類だかの「rhododendron」があるという植物園があって、私の両親が遊びに来たときに案内したことがあるのですが、その時はこの「rhododendron」の和名が何であるかなど気にもかけませんでした。今、インターネットで調べてみると、「rhododendron」というのは「シャクナゲ」で「ツツジ属に属する諸種の常緑低木, 華やかな花をつける」ということがわかります。齢を重ねた功名というべきでしょう。
  
で、このシャクナゲ、よく観察してみると、たしかに花の一つ一つは躑躅の花によく似ていますが、面白いのは開花する前には多くのつぼみがまとまって一つのつぼみを形成していることです。写真を見るとその様子がよくわかると思います。
  



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